【微忙録】

明日の自分への覚え書き

薬屋のひとりごと(1)(2)

薬屋のひとりごと(1) (ビッグガンガンコミックス)

薬屋のひとりごと(2) (ビッグガンガンコミックス)

薬屋のひとりごと

原作:日向夏

作画:ねこくらげ

構成:七緒一綺掲載誌:ビッグガンガン
既刊:2巻

 

あらすじ

舞台は中国チックな東洋の国。

皇帝がおり宮廷があり宦官や女官がいる時代の話。

花街で暮らしていた主人公の猫猫(マオマオ)は人攫いにあって後宮の下女として働くはめになる。もともと薬師であった猫猫は、陰謀蠢き事件絶えない宮廷で薬学の知識を使って問題を解決していく。

 

登場人物(ネタバレ含)

 

猫猫 マオマオ

主人公、宮廷の侍女で薬師。

薬学に造詣が深く、自らの体を使って毒の実験をしていたおかげで毒への知識と耐性が高い。その為誰もやりたがらない毒見役を務めているが、本人としては毒で痺れたりするのが好きなので喜んで毒見をしている。包帯を巻いた腕には、ヘビに噛ませたり火傷したりといった毒実験の跡が沢山ある。マッドでマゾなサイエンティスト。

花街で生まれ育ったので、性技に関する知識が豊富。知識だけである。

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壬氏 ジンシ

美貌の宦官。後宮の管理をしており、猫猫の有能さを見出して夫人仕えになるよう仕組んだ。

その美貌はあらゆる女性(男性も)を魅了する。ただ猫猫にはその美貌は全く通用していない。

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玉葉妃 ギョクヨウ

皇帝の妃の一人。

猫猫が、娘の原因不明の衰弱を食い止めてくれたので侍女にした。

思慮深く聡い。

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翡翠宮の侍女たち

玉葉妃に仕える侍女たち。

猫猫があまり喋らず、腕に怪我の痕があるのを包帯で必死に隠し、後宮に売り飛ばされ、毒見役をやらされているため、可哀想な身の上だと思って優しくしてくれる。

実際のところはただの無愛想で、自分で実験した痕で、人攫いに遭って、毒見役は喜んでやっているので全て勘違いである。

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紅娘 ホンニャン

侍女頭。

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上から

愛藍 アイラン

桜花 インファ

貴園 グイエン

 

梨花妃 リファ

皇帝の妃の一人。

東宮(皇帝の長男)にあたる男児がいたが、あることが原因で亡くしてしまう。

カリスマ性が高く、自尊心はあるが傲慢ではない。

巨乳。

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ビッグガンガンで連載中の小説原作の漫画。

小説家になろう発だが、いわゆる「なろう系」と呼ばれる、テンプレートと化した異世界転生チートハーレム物語ではない。

 

典型的ななろう系ではないと言っても、猫猫が純然たる凡人かといえばそうでもない。ステータスを薬学に振り切っており、恋愛だとか美醜には興味がなく、ちんちくりんで顔もスタイルも恵まれてはいない。路地裏に連れ込まれない為にそばかすの化粧をして、容姿をデチューンしている程だ。

本人としては、お勤めが満期になるまでひっそりと目立たず宮廷勤めをするつもりだったが、ある事件を解決してしまったおかげで皇太夫人の侍女になる。

 

コミカライズというメディアミックスの形式には、話を分かりやすくして、原作購入に引き込む狙いがあると思う。しかしながら、コミカライズ自体に良作が多いとは言えず、セリフをなぞっただけのものになってしまっていたり、もしくはこう言ってしまっては身も蓋もないが、原作イラストのクオリティに敵わないのが通例となってしまっている。

 

それ故に、私はコミカライズを読んでから原作に興味を持つという流れを踏まない方なのだが、ビッグガンガンに関してはゴブリンスレイヤーに続いてまんまとこの薬屋のひとりごとも原作購入に踏み切ってしまった。

 

絵のクオリティは言わずもがな、背景やモブに至るまでの中華感。可愛いだけではない猫猫の悪い顔だったりデフォルメ顔まで、緻密に描き上げられている。

原作小説からも作者の設定の作り込みが感じられ、話と絵が合わさったコミカルでドラマチックな読ませる漫画になっている。

この漫画は珍しく原作と作画の他に構成もクレジットされている。つまり原作をベースとしたネーム屋さんがいて、更にそれをベースにして作画の先生が漫画にするという手法なのだろう。餅は餅屋だ。こういった分業が各々の負担を分散させ、自分の仕事に専念できるようになり、クオリティアップに繋がるのかもしれない。私の知る限りでは「紅 kurenai」のコミカライズにもネーム構成の方がいた。確かに一枚絵を描くのが本業であるイラストレーターにコマ割りページ割りまで考えろというのは、余計な負担となる可能性もある。それが原因となって、美しいイラストを生み出せるのにもかかわらずコミカライズで活躍する機会を諦めているイラストレーターが少なからずいるのかもしれない。勿体無い話だ。あくまでも私の勝手な想像なのだが。

 

少し話が逸れたが、この「薬屋のひとりごと」は、原作を未読でも一本の漫画として続きが読みたいと思わせ、原作を読めば更に雰囲気の再現度に驚かされる、そんな作品だ。コミカライズだからといって、大して読まずに飛ばしてしまうのは、こういった出会いを阻害するので、やはり買った雑誌は頭からお尻まで舐め回すように読むべきだと決意を新たにした。