【微忙録】

明日の自分への覚え書き

深・めくるめく電子頁

先回の記事電子頁 - 【微忙録】電子書籍が便利だ使えと中身のない言葉を並べ立て宣った私なのだが、私自身電子書籍に特化したデバイスは所持しておらず、専らPCとスマホで読書に勤しむ日々であった。

そんな状況から一念発起し、とうとうと言うべきか、やっとと言うべきか、Kindleアプリでは飽き足らなくなった私はKindle端末を購入した。

Kindle Paperwhite マンガモデルである。

Kindle Paperwhiteという現行の端末を、マンガをよく読む日本人向けにアップグレードしたものであり、日本でしか販売していない。その大きな違いは容量であり、基本的に容量が4GBであった既存の端末と比べ、8倍の32GBとなっている。小説は言うに及ばず、平均的なコミックスならば500冊前後を収納できる容量と考えていただけると理解しやすいと思う。

これはiPadやKindleFireなどのタブレットとは異なり、正真正銘電子書籍を読むためだけに存在しているデバイスだ。

どのようなツールにおいても「特化している」ということはそれ自体が非常に重要な事であると思う。例えるならば、ゆで卵を輪切りにする際、包丁を使えば数モーションかけて大きさの統一性のない輪切りゆで卵が生まれるのだが、ここでゆで卵を輪切りにするマシーン*1を与えられた場合を考えてみてほしい。そこには雑念も発想転換も介在する余地はなく、ただ一つの工程を踏むだけで輪切りにされたゆで卵が完成する。おまけに何度繰り返しても同じ幅で輪切りが出来る。

タブレットを包丁とすると、Kindleはさながらゆで卵を輪切りにするマシーンだ。いや、そうなのか?

 

SALUS 縦横兼用 卵切器

SALUS 縦横兼用 卵切器

 

 

電子書籍を読む、買う以外の機能が徹底的に廃されている上、読みやすさや画面の光の調子においてはタブレットよりも現実の書籍に近いものになっている。質感がガラスの画面らしくない、マットな仕上がりなのだ。その上、暗いところでもバックライトによって読む事ができるという、アナログの良いところとデジタルの良いところを併せ持ったような都合の良い読書を可能とするのだ。

読書中にSNSやメール、ソーシャルゲームの通知が来ることもないし、ふとした拍子にネットブラウジングを始めてしまう可能性もない。紙の書籍を読んでいた頃と同じく、言うなれば本来在るべき読書体験が戻ってくると言ってしまっても過言ではない。バッテリーはフル充電から短くとも1週間近く保つので、スマホタブレットのようにしつこくバッテリー残量に悩まされることもなくストレスフリーだ。

痒いところを挙げるとすれば、電子インクという私には及びもつかない謎の技術によって、紙の質感が表現されている影響なのか、カラーは出力されず、グレースケールでの表示のみである点である。実際に触ってみると思うのだが、ワープロ*2の画面に近い。しかしながら、新型がコンスタントに発売されている本端末の事なので、更に快適な電子書籍ライフを送るべく、今後カラー表示が可能になる事や、防水機能が付加される事、UIがより直感的に、スピーディになる事にも期待をかけて、私はそっとAmazonレビューに☆4を付けるのだ。

Kindle Paperwhite 32GB、マンガモデル、Wi-Fi 、ブラック

Kindle Paperwhite 32GB、マンガモデル、Wi-Fi 、ブラック

 

 

 

*1:どうやらエッグカッター、ないしは卵切器という呼称があるらしい。目から鱗である。

*2:ワードプロセッサー:wordソフトしか搭載されていない白黒のパソコン